Tongue Control Treatment

舌コントロール療法とは

舌コントロール療法は、歯を綺麗に並べることや噛み合わせを良くするなど見た目や1つの現状にフォーカスを当て行う施術ではありません。

臨床の場には様々な疾患の方も通われていますが、病気を治すことを主目的とした施術ではありません。

体そのものを可能な限り正常に機能させ、健康な体にすることを目的にしています。

はじめに

舌コントロール療法は、その具体的な手法を文字でお伝えすることがとても難しい施術です。

「百聞は一見に如かず」という言葉があるように、本来は実際に体験していただくことが一番です。

目で見たり、体で感じていただくことでご理解いただけると思っております。

可能な限り全国で体験会を開催しますが、少しでも多くの方に当サイトを読んでいただき、この内容が困っている方や悩んでいる方のお役に立てればと思います。

舌コントロールのテクニック

舌コントロール療法の処置は歯科医師のみ行うことができます。

大きく分けて2つのテクニックがありますが、どちらも共通して天然歯を削ることは一切ありません

1.レジンの貼り付け

1つは、天然歯列や乳歯列の上顎6番またはEにレジンを貼るテクニックです。

舌コントロール療法はまず体の検査からスタートします。

四肢の運動機能の左右差を検査し、そこから舌の左右の機能差を確認します。

舌の機能亢進側にレジンを貼り、最初に行った検査をして、四肢の運動機能差が改善されているかを確認します。

2.補綴の形態修正

もう1つは、補綴の頬舌側の形態を天然歯の形態に近づけるテクニックです。

レジン貼り付けと同様、四肢の運動機能の左右差を検査します。

補綴の舌側面・頬側面・咬合面、その他義歯の床の形態など、人工物の形態を可能な限り本来の歯牙形態に近づけるように修正を行います。

最初に行った検査をして、四肢の運動機能差の改善を確認します。

四肢が左右対称に機能することで全身の筋骨格系が中心軸に機能し、人間が生きていくための生理的機能を最大限に発揮させることを目的にしています。

その結果として、子供の成長発育や成人の健康保持に良い影響を与えます。

舌コントロールの検査

臨床上、舌コントロールのテクニックと同じく重要になるのが検査です。

この検査の最大の特徴は患者さんの四肢を筋収縮させないように動かす他動運動検査であるという点です。

これにより肩関節や肘関節、股関節や膝関節を動かす筋肉の関節可動域差を確認します。

可動域の違いから、各関節を動かす主動作筋および拮抗筋の支配神経の機能差が読み取れます。

四肢の筋を支配する神経の機能差と、口腔内に関係する神経機能の関係性が舌コントロール療法の重要な理論になります。

この最初の検査を舌コントロール臨床の指針とし、レジンを貼ったり、補綴の形態修正を行った後にどのように変化したかを再検査します。

舌コントロール療法は言葉で説明することが難しい施術です。

特にこの検査は数字などで表すことができず、実際に関節の動きの差を見て確認することしかできません。

動画で伝えるという方法もありますが、体験に勝るものはありません。

現在舌コントロールを受けている患者さんも、この検査を受けて初めて健康な体や正常に機能する体の意味を認識してもらうことが多いです。

この検査を受けられる場を増やすことが私の一番の課題です。

この検査をする際、患者さんの筋肉を収縮させないように動かさないと意味がありません。

そして検査は、ある程度実技研修を積んだ舌コントロール検査技師のみができるテクニックです。

検査技術の習得は、研修を受け練習をすれば誰でもマスターできます。

舌コントロール療法の臨床手順

1. 説明

歯科医師または舌コントロール検査技師が患者さんに舌コントロール療法の目的と実際に行う方法を説明し理解してもらう。

2. 検査

舌コントロール検査技師が他動運動検査を用いて患者さんの体を検査する。

3. 資料採り

印象採得やパノラマレントゲンなどの資料採りをして、歯科医師が口腔内の状況を把握する。

4. 口腔内の処置

歯科医師が口腔内の状況に応じて、レジンの貼り付けや補綴の形態修正を行う。

5. 再検査

舌コントロール検査技師が再度検査を行い、四肢の動きを確認する。

四肢の運動機能に差が無くなるまで、口腔内の修正を繰り返し行う。

6. 施術終了

四肢が左右対称に機能することが確認できたら、この日の施術は終了する。

以上が舌コントロール療法の実際の臨床手順です。

舌コントロール療法の目的

ここからは、舌コントロール療法の目的や健康に対しての考え、体そのものが正常に機能することの重要性、今の体の状態を分析するための検査について詳細を述べます。

舌コントロール療法は、歯を綺麗に並べることや噛み合わせを良くするなど見た目や1つの現状にフォーカスを当て行う施術ではありません。

臨床の場には様々な疾患の方も通われていますが、病気を治すことを主目的とした施術ではありません。

体そのものを可能な限り正常に機能させ、健康な体にすることを目的にしています。

よって治療ではなく、メンテナンスです。

そして口腔内から行う全身のメンテナンスです。

何度も後述しますが、疾患や症状を治す目的とした施術ではありません。

舌コントロール療法を希望される方には必ず以下の目的を説明します。

  1. 本来健康な体とはどういう状態か
  2. 症状がある時の体はどういう状態か

これらを検査をしながら説明します。

舌コントロール療法の目的を理解してもらうまで臨床をスタートしません。

目的を理解してもらうことが重要だと考えています。

実際の臨床の場には様々な方がいます。

  • 健康な体を維持したい
  • 不調があるけど病院では原因不明
  • 標準治療で結果が出なかった
  • 難病指定の病気にかかっている

など個々の症状や状況は様々ですが、舌コントロールを受けてもらう目的も施術方法も皆同じです。

その方々の体を解剖生理学的に最大限の機能を引き出すお手伝いをさせてもらっています。

健康に対しての考え

全てのケースではありませんが、「病名や症状は結果であり原因は体そのものにある」と考えています。

原因である体そのものを変えなければ、結果も変わらないという考えです。

そのため体が今どうなっているのかを知る必要があります。

実際に体調が優れない方や何らかの症状や病名がある方を検査をすると、ほとんどの方の体に左右差が生じています。

この左右差を改善することが舌コントロール療法の最大の目的です。

体そのものが正常に機能することの重要性

全身の筋骨格系は神経に支配され、その神経が正常に機能した時、人の体は中心軸に対して左右対称になります。

この左右対称の時、体の生理作用は最大に機能します。

大きく分けて運動機能と感覚機能があり、細かく分けると神経機能・内分泌機能・免疫機能・呼吸機能・循環機能・消化機能・排泄機能・生殖機能などです。

これらの機能が正常に働くことで、人は健康な状態が保持できます。

ただ、体全体が左右対称性を失いアンバランスな状態になると、様々な機能が効率良く力を発揮する事ができなくなります。

そしてその状況が続くと様々な症状や疾患に繋がると考えています。

舌コントロール療法やバランス療法の臨床でも症状や痛みの程度などを聞きますが、それよりも筋骨格系を支配する神経がどのように機能しているかを検査し分析することを重要視しています。

今の体の状態を分析するための検査

舌コントロール療法の臨床上一番重要なことは、患者さんの状況を知るための検査です。

舌コントロール検査技師が肩関節や股関節や膝関節を中心に上肢や下肢を左右対称に動かし、中心軸に機能しているかを確認します。

この検査を他動運動検査と言います。

他動運動検査とは、安静時の患者さんに対して筋肉を収縮させないように各関節を動かす検査です。

それにより安静時の上肢や下肢の関節可動域の左右差が確認できます。

関節可動域の左右差は左右の筋緊張差であり、左右の筋緊張差を神経機能の差として、さらに分析することができます。

舌コントロール療法の臨床は、他動運動検査に始まり、他動運動検査に終わります。

口腔内への処置後、再び同じ検査をして体が変化したかを確認します。

1回の臨床で何度も何度もこの他動運動検査をします。

検査の際も、患者さんに症状の変化があるかなどを確認しますが、大切なのは筋骨格系やそれを支配する神経機能など解剖生理学的な変化が起き、四肢の動きが左右対称に機能しているかを他動運動検査で確認できることです。

舌コントロール療法の臨床症例

舌コントロール療法は疾患名や症状に対しての治療ではなく、あくまでも人間の体が解剖生理学的に正常に機能することを目的にしています。

よく勘違いされやすいのですが、舌コントロール療法の目的は、舌や口腔内を改善させるのではなく、舌や口腔内を利用し、全身のあらゆる機能を向上させ、健康な体で生活してもらうことです。

実際に体の機能改善を目的に舌コントロールを受けられている方の症例は以下の通りです。

顎変位、顎関節症、乳歯列の反対咬合、混合歯列の開咬、アトピー性皮膚炎、老人性難聴、緑内障、小児緑内障、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、逆流性食道炎、好酸球性胃腸炎、頭痛、頸肩腕症候群、バネ指、若年性高血圧、不眠症、花粉症、心不全、不妊症、つわり、生理痛、便秘、腰椎椎間板ヘルニア、変形性膝関節症、分娩時麻痺、小児麻痺の運動変化、パーキンソン病、急性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、骨肉腫

舌コントロール療法を受けて、これらの症状や疾患の方に改善や軽減がみられています。

しかし全ての方に共通して言えることは、病気の治療ではないということです。

その方がどんな症状や病名を持っていたとしても、やることはたった一つだけです。

それは「体そのものを可能な限り正常に機能させ、健康な体に導くこと」です。

これが舌コントロール療法にできる全てで、唯一の事です。

最後に

私は25年以上の間、バランス療法で数多くの症状改善を経験してきました。

その経験から、人間の体が左右対称性に機能したとき、生理的機能を本来の状態に戻そうとする力を持っているんだと実感しました。

舌コントロール療法は、バランス療法と全く同じ理論で考案したので、目的は全く同じです。

しかし、施術の効果が全く違います。

舌コントロール療法の最大の特徴は2つあります。

  1. 舌コントロール療法はバランス療法を24時間365日施術を受け続けているのと同じ効果がある
  2. バランス療法では脊髄神経系にしかアプローチできない施術が、舌コントロール療法は舌下神経や三叉神経や顔面神経、舌咽神経などの脳神経にアプローチできる

この2つによって、私の想像を遥かに超える変化が多くの症例で起こりました。

体の機能が最大限に発揮された良い状態で、その継続性が高く、また脳神経系にアプローチできることは、人間の恒常性の保持 (ホメオスタシス)に大きく関わっていると感じます。

ここで著しても限界がありますので、もし機会があれば是非検査の体験で、体の左右差やそこからの変化を感じていただけたらと思います。

特に、歯科医師や歯科技工士など全ての歯科関係者、解剖生理学を元に患者さんと向き合いたい柔道整復師や鍼灸師や整体師の方、体の不調で悩んでいる方、健康な体に興味がある方、病院では打つ手なしと言われた方、そしてここまで読んで頂き、興味を持って頂いた全ての方皆さんに体験してもらいたいと思います。

ご興味のある方はご連絡を頂ければ幸いです。