Tongue Control Therapy

舌コントロール療法とは

歯の口蓋側面にレジンを貼り付けたり、補綴の口蓋側面や頬側面の形態を修正することで、解剖生理学的に筋骨格が安定した状態になり、体そのものを健康的に機能させる施術方法です。

舌コントロール療法を取り入れることで、快適な日常生活や理想的な成長、補綴のトラブル回避など、歯科医師が患者さんのQOLに大きく貢献出来ます。

舌コントロール療法のレジンについて

舌コントロール療法(以下舌コン)の説明をする時や実習の時によく質問される内容の一つにレジンの形状があります。そのことについてまとめます。

使用するレジン

これまで様々なレジンを試してもらいましたが、ペーストよりフローの方が形成しやすいようです。

今セミナーや臨床で使っているレジンは、コモンベースレジンです。

貼り付けるレジン形状

舌コンのレジン形状には絶対的なルールがあります。特に厚さと方向性のルールは重要です。

それは、舌側の遠心・近心のルールと舌側の切端部・歯茎部部のルールです。

遠心が厚く、近心は薄め。切端部が厚く、歯茎部は薄め。

これがレジン形状で重要なルールとなります。このルールと違う形状にすると舌のコントロールが出来ず、四肢の他動検査で確認しても変わらないもしくは貼り付け前より左右差が顕著になる場合もあります。

レジンの研磨の重要性

レジンを貼る側も、貼り付けたレジンの形状も間違っていなくても、研磨が疎かだと残念ながら結果は出ません。

天然歯の表面と同じようにするイメージでレジンを研磨すると良いです。

実際に研磨不足の時は開口閉口時に顎関節に痛みがあった女性が、レジンをしっかり研磨するだけで全く痛みが無くなり顎運動できるようになった人もいます。形状も研磨も全て丁寧にする必要があります。

但し、乳歯の場合はそれほど神経質になる必要はありません。大人と違い多少研磨不足があっても舌が違和感を感じ難いようです。あと貼り付ける量が少な過ぎて研磨も難しい点と、なかなかじっとしてくれないので研磨出来ない場合もあります。

ただ研磨できる場合はしっかりしてあげてください。

レジン貼り付ける技術

一見すると歯科医師なら誰でも貼れそうですが、実際に実習すると最初は皆さん苦戦しています。レジンをどのような形に作れば良いのかがイメージ出来ないようです。

上顎歯列のアーチを分析する

普段、歯を中心に診療している歯科医師にとって、上顎歯列のアーチと聞くと歯を見てしまいます。舌コンでは、上顎歯列の舌側面の形態の左右差を確認しながらアーチを見ます。

すると第一大臼歯の歯軸の左右差が見え、レジンの貼る形状もイメージしやすくなります。

舌の気持ちになり、口腔内を見る

これは冗談ではなく、実際に舌がどこに行きやすいかを観察します。これが出来るとレジンの形状もイメージしやすくなります。

※模型分析のことはまた書く予定です。

模型と口腔内

上記にもあるように上顎の歯列のアーチの分析は重要になります。しかし模型で見た上顎歯列の舌側面と実際の患者の上顎歯列の舌側面を比べると違って見える場合があります。

これは部分的に切り取り見る方向を自在に変えることができる模型と、身体全体の一部分として見る口腔内ではイメージに違いが起こります。

よって模型だけで確認せず、実際の口腔内も観て左右の上顎歯列の差を確認する必要があります。

実践あるのみ

どんな作業でも数を熟せば上手くなります。実際に舌コンをしている先生も、40〜50症例ほどやると手際よく出来るようになっています。

レジンの形状も、症例数が増えればレジンの見方と貼り方も分かってくると思います。

左上6番舌側面にレジン

よくあるミス

咬合面にレジン

レジンが咬合面に乗った場合、必ず全身の筋肉の動きにエラーが生じます。このミスは絶対に避ける必要があります。必ず咬合紙でチェックしてください。

歯の生理的形態

舌コンのターゲットは舌です。舌にストレスを感じさせないレジン形状にする必要があり、そのためには貼り付けたレジンも歯の生理的形態に近い形にした方がより良いです。舌側面が明らかな人工的な形では、違和感やエラーが出る場合があります。

まとめ

このレジンの貼り付けに関しては、それほど難易度が高い技術ではないと思います。(歯科医師ではない私が言うと変ですが)

私も最初にこの技術を伝えた先生には全て言葉で説明しましたし、実践を積めば歯科医師なら誰でも出来る技術です。

舌コンの難しい点は、レジンを左右どちらに貼るかという判断と、貼ったレジンの評価です。この2点をクリアするには、四肢の他動検査の習得が必要になります。

再現性の高い検査こそ、舌コンのキーになります。